MACHINEは走る芸術 【1992年式 KAWASAKI GPZ900RA9】 エンジン編 |
シリンダーヘッド取り外し |
シリンダーヘッドカバーの内側
2011年1月4日、初めて自分でシリンダーヘッドカバーを外した日。
あの時のドキドキ感、忘れられませんねぇ。
6本のヘッドカバーボルトを外すだけなのですが、これを緩めて外すだけで、今まで見たこともない、自分の愛機のエンジン内(といってもここを開けて見えるのはカムシャフトやロッカーアームくらい)を見ることになる!
シリンダーヘッドカバーを外し、ヘッドカバーガスケットを外した状態がこれです。
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ヘッド内の観察
まずは、観察から。
急いては事をし損じます!
慌てない、焦らない。
今まで散々書籍等で予習はしてきていますが、実物を目にするのは初めてだから。
緑色に見える液体はエンジンオイルです。
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新車時からのカムシャフト
我が愛機、カムシャフトのフェイス面がカジるとよく言われております。
でも、このカムシャフトを見る限り、どうもカジッていないみたい。
なぜ、カジッていないんだろうか。それは今までの動かし方や保管・管理方法にあるのかと思います。
1.エンジン始動は必ずバイクを水平にした状態でしか行わない。
これ、ヘッドに溜まっているオイル、カムシャフトフェイス面にある僅かなオイルが、車体を斜
めにすることで(サイドスタンドにすると車体が左側に傾く)左側にあるカムチェーントンネル
から全てクランクケース側に流れ落ちてしまい、ドライスタートとなる。
2.走行後の保管は前後レーシングスタンドで水平保管
シリンダーヘッドにオイルが残ってくれていることが、今回の分解で判明。
3.長時間暖機運転の禁止
エンジンが始動したらゆっくり動かしながら暖機。
4.走行時は4,000rpm以上で
エンジンを廻してあげる。これ、オイルポンプの回転はクランクシャフト回転数に比例しますの
で(リリーフバルブがあるので油圧は4kg/㎠以上は立たない)高い吐出圧でシリンダーヘ
ッド部までオイルが循環され、カムシャフトフェイス面にもオイルが供給される。
5.早めのオイル交換
安いオイルは性能も当然によくありません。酸化も早いし、何よりもオイルとして大事な高分子
の鎖がドンドン切れてしまうから、すぐにサラサラになってしまう。粘度のへたり。
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シリンダーヘッド取り外し
カムシャフトを外し、カムチェーン外して・・・
シリンダーヘッドを車体側から取り外し。
あーぁ、大変なことをしてしまった・・・
もう後には引けない。
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ピストンお目見え
我が愛機の、新車時から頑張ってくれていたピストン。
長崎の街、名古屋の街、首都高湾岸線、大分県の美しいところ、大好きな阿蘇・・・
たくさんの場所に連れていってくれる動力を作り出してくれていたピストン。
ピストントップにはカーボンが堆積しています。
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ピストントップ拡大
純正ピストントップの表面はザラザラしているから、カーボンが堆積しやすい状況にあります。
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シリンダーヘッドを真上から観察
取り外しているので360°様々な角度から観察できます。
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ロッカーシャフト、ロッカーアームの取り外し
これはものすごく面白くって、こんな抜き方をするんだなぁと感心させられた一例。
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新車時からのロッカーアーム
ロッカーアームのフェイスにもカジリ跡はありません。
今回、オーバーホールをするのだから、ロッカーアームは新しい対策品になっている純正新品を組み付けます。
が、しかし、これらは捨てたりしません。保管します。
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バルブスプリングコンプレッサー
これ、ものすごく便利です。
でも、この作業にしか使えない、特殊工具なんです。
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バルブの構成
外したバルブに付いている部品は、袋に番号を書いて掃除・点検して保管します。
ゴミなんかが付かないようにね。
バルブはステム先端にガムテープを巻いて番号付けて。
まずは、頑固に付着したカーボンを除去するために、薬剤(メタルクリーンα)に漬け込みます。
この薬剤、70℃くらいの温度が最も効果がでるみたい。
しかも再利用できる優れものです。
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吸気バルブ、排気バルブ
吸気バルブは傘部分が大きく、へばりついているカーボンも柔らか。
しかし、排気バルブは、傘が小さく、白っぽく傘部分が焼けているものもあり、これがものすごく硬い!
これを綺麗にするのは、ものすごく大変そうですが、やりがいがあると云うもんです。
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