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MACHINEは走る芸術 【1992年式 KAWASAKI GPZ900RA9】 エンジン編
エンジンおろし
排気ポートの段付落とし研磨
スムーズな排気を求めて。
純正は段が付いているし、表面はザラザラ。
だから段付をなくし、ザラザラの鋳肌を滑らかになるように。
むやみやたらに排気ポートを拡大すると、ベルヌーイの定理に逆らうことになるから、パワーが落ちてしまいます。
耐水ペーパーで
電動工具で磨いた後は、耐水ペーパーでゆっくりと丁寧に。
いくつも番手を変えて、細かくしていき、最後はフェルトバフで研磨すればツルツル。

排気ポートがツルツルしていれば、燃焼室で爆発した排気ガスが壁面に滞留することなく、スムーズにエキゾーストパイプへと導かれていくから、パワーが上昇すると云うもんです。
次の工程で爆発した排気ガスと混合しにくくなり、結果的にパワーが上がります。
純正ピストントップ研磨、純正バルブ研磨
コストを抑えなければならないから、純正品は研磨なんてされていません。
表面ザラザラです。
でも、これは「しようがない。こんなの研磨してツルツルピカピカ仕上げにしていたら、販売価格はいったいいくらになっていたんだろう・・・

だから、いいんです。文句なんかありません。エンジン分解出来るようになったから、ピストンやバルブを手にすることが出来たんです。
だから、自分でやればいいんです。

ピストンは熱に強いハイシリコン系のアルミニウム合金です。バルブは吸気側は研磨するのにそこまで大変ではありませんでしたが、排気側は!
なんじゃこりゃ?と思うくらいに硬い硬いバルブ鋼!そりゃ排気の熱に耐えなきゃならないんで、そうなります。
排気バルブ1本鏡面にするのに要した時間、ボール盤に咥えさせて磨いて8時間!
もう絶対にやりたくない作業の一つです。
バルブ摺り合せ
吸気バルブ、排気バルブ、各々それぞれが入る場所に収めてそこで摺り合せ。
フェイスの決められた3種類の角部が、長年の駆動で落ちて来つつあります。
本当は、バルブフェイスも角度出ししたい!
でもそんな機械持ってないし。
ヘッド側のバルブ当たり面も角が落ちてきている・・・ダイヤモンドカッターで削りたいなぁ。
シリンダースリーブの縦キズ
シリンダー内壁の前後に各気筒、縦キズがあります。爪を立てて調べてみると・・・明らかに引っかかります。

こう云う時はプロに見せるのが一番。

8耐チーム『カワサキとヨネムラ』監督兼チーフメカニックの米村社長のところへ持っていきます。

社長、見て即、パーツリストを見ながらシリンダーの品番を探しています。
僕『社長、なんで新しいシリンダーを探しているんですか?』
社長『んぁ?このシリンダーはもう使えん』

ななな、、と!
新品シリンダーは8万円くらいするし(現在廃盤)目の前クラクラです。

社長『ボーリングしてボアアップすればいい』と。
純正新シリンダーを買うか、ボアアップして新しいビッグボアのピストンを買うか。いずれにしても費用はかかります。
シリンダースリーブ削ってボアを広げ、WAISECOの鍛造ピストンを入れて972ccの排気量にすることに決めました。

さて、この縦キズ。まだ研磨していない純正ピストントップを観察してみます。
すると、ピストン前後上部側壁にポツポツと小さなカルデラが数10個できているんです。
これは燃調が薄くて燃焼ガスが高温になったため、アルミニウム合金であるピストンが溶けたのではなかろうかと。

キャブレターのオーバーホール完了後、キャブセッティングしている時に、燃調が薄い時があったなぁ。
燃調が薄いと、ピストンが溶けてボツボツができて、これが高速ピストン運動するから硬い鋳鉄スリーブと言えども、縦キズが入るんです。
燃調が薄いとエンジンが壊れると云うのは、こう云うことなんです。
ヨシムラ ステージ1カムシャフト
憧れのヨシムラST−1カムです。
カムシャフトフェイス面をバフ研磨して、その後、酸化クロムラッピングを施します。
これでツルツルピカピカ。
腰下も取り外し
シリンダーの精密ボーリング加工に出している間に、クランクケースも分解して色々と点検することにしました。
クラッチ板
クラッチ板、予備の新品一式も持っていますが、新しく変える必要はないみたい。
吐出圧増大アイテム、別車両のオイルポンプ
大排気量車であるZRX1200用のオイルポンプが我が愛機に取付け可能!

排気量がアップしますんで、しっかり油圧が立つこの品をチョイス。

で、新品がKAWASAKIからやってきましたので早速分解します。
分解してみてわかったこと。

新品なんだけれど、1992年製の我が愛機に使われているオイルポンプの方が、加工精度が高い!

この新品、バリはすごいし、一番肝心な内部のトロコイドポンプ部、引け巣があったりします!
考えられないんで、研磨して悪いところを改善してから組み付け。

こんな部品達も、日本で作られるのではなく、海外で作られだしたからこんなことになるんじゃなかろうか?
もうすぐクランクケースが割れる!
クラッチハウジングが外れたら、あとはもう少し。
各部ボルトの組み付けパターン
外したボルトは綺麗に並べて撮影。
こうすることで、決して迷子にはなりません。だからボルトが余るだなんてことがおきません。

面倒ですよ。いちいち、上部側、左側面、右側面、下部側・・・なんて分けて撮影するんだから。
でも、しようがありません。
手間だけれど、組上げるときに困らないためにも。
取り外されたオイルパンの中
オイルパンの内側底面。
多少、澱があるくらいです。
これ2011年に分解したから19年経った状態です。

まじめに作られたオイルで、早めに交換して、乗るときは回転を上げてちゃんと各部に油圧を掛ける。

これ、ものすごく大事です!
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