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大分市古国府 市ヶ谷整形外科
みんなのスポーツ医学
発育期に主にみられるスポーツ外傷と障害

<野球肘>

今、子供たちに最も人気のあるスポーツは野球.サッカーでしょう。
大分市内だけでも55の少年野球チームがあり、約1600人の子供たちが大会での
勝利を目指して頑張って練習しています。
今年は巨人の長嶋監督就任もあり、ますます野球が少年たちに夢を与えそうです。
しかし熱心さも度を越すと、子供たちの肩や肘にいろいろな故障が起こることが少なくありません。

今日は、それらの故障のなかで、小. 中学生に特に多い野球肘についてお話しましょう。
野球肘とは投球動作の繰り返しにより肘の骨、軟骨、靭帯が引き伸ばされたり圧迫されたりして障害を起こすものの総称です。

投球動作は、  1.ワインドアップ期  2.アクセレーション期 3.フォロースルー期の3つに大きく分けられますが、
アクセレーション期には肘の内側で骨と骨がはなれようとするため靭帯や筋肉が骨端線を引っ張る力が働き、骨の痛みが起こったり、
ひどくなると骨端線部でズレてしまう(剥離)ようになります。
また外側では逆に骨と骨が圧迫されたり、捻れる力が働くため骨同志がぶつかるようになり、そのため軟骨の損傷が生じがちになります。
そして、フォロスルー期では、肘が伸びきるので骨と骨がぶつかるための障害が起こりやすくなります。 
このような野球による肘の障害は10〜13才に集中して起こり、それも年間の身長の伸び率が大きい子供ほど高い発生率を示しています。

発育期の野球肘は成人の場合と異なり、骨や軟骨の障害が主で、治療が手遅れになると
将来肘の機能障害をひき起こすおそれがある点で注意が必要です。

この障害は投球動作の多い投手に起きやすく、変化球、特にカーブ(約10年前、少年野球での
カーブは禁止されている)の集中練習の際や、他のポジションから投手に転向した直後などに
起こることが多いようです。
投手以外では、ショート、サード、外野の遠投練習の繰り返しが原因となるでしょう。障害の後再び野球を続けるためには出来るだけ早期に治療を開始しなければならないのですが、試合やレギュラーを目指して練習しているためについ我慢してしまうなど早期発見がむずかしいようです。

そこで予防こそがプレーを続けるための大切なポイントとなるわけです。
まず早期症状としては、投球時の一過性の肘痛や不快感、軽い伸展障害(肘がまっすぐ伸びない)などで、
この時期にはレントゲン検査が必要です。

また一般に野球肘は内側の痛みから始まり、次第に外側の障害に進みますが、内側だけの障害(これが一番多く外側の10倍)のうちに
解決すべきでしょう。それは外側にまで痛みが出てしまうと、軟骨が傷ついていることが多く、進行すると剥がれてしまい
関節の中をゴロゴロと動きまわる様になり(関節ねずみ)治療が困難になります。たとえ手術しても完全な回復が難しくなります。
このような状態を離断性骨軟骨炎と言います。
治療で最も大切なことは、痛みが完全にとれるまで肘を使わないことです。投球を止めるばかりでなく三角巾で腕をつって
安静を保てば大抵数カ月で治ってしまいます。またギプスで肘を固定して治療することもあります。
ただ外側の障害、つまり離断性骨軟骨炎になると手術をしても肘の動きの悪さが完治することは困難で、ポジションを変わるか、
野球を断念せざるを得なくなることもあります。そして、最悪の場合日常の生活にも支障をきたすことがあり、
好きなスポーツが出来ないということによる精神的な落ち込みも心配されます。

そこで、指導者の方々には次のことをお願いしたいと思います。

(1)1日50球、週300球以内に投球を制限すること。
また、練習熱心な子供は、家に帰ってからも、キャッチボールをすることが多いので、
やり過ぎないよう注意して欲しいのです。

(2)子供は痛みを感じても大人に対してそのことを正直に言わないことがあるので、
野球肘について説明し痛みがあれば早く申し出るよう指導すること。

(3)球速が落ちてきたら肘か肩に故障が起きていないかと考え、肘や肩の動き及び痛みをチェックすること。
その時必ず左右両方を比較しないと軽い変化を見逃すことがあります。
また投球フォームがおかしい場合もどこかに故障がないか疑うこと。

(4)投球練習を止めても症状が軽くならなければスポーツドクターを受診させること。

(5)一年中連続して投球練習をさせるような無理をしないこと。

この障害は、1968年、暖かいカリフォルニアで投手に多発することが最初に発表されました。
つまり、一年中野球が出来ることが障害の引金となったわけです。したがってシーズンオフの1〜2ケ月間は投球をさせないことや、
たまには、他のスポーツをさせることも野球肘の予防になります。
発育期の肩のスポーツ障害
子供のスポーツによる肩の故障でよく知られているものに「野球肩」があります。
「野球肩」とは、投球動作の際、肩の痛みのため思うようにボールが投げられない状態をいいます。
主に投球動作の繰り返しが原因で肩の痛みが生じる訳ですが、特に小学校高学年から中学生に
かけて起こりやすいものに、「リトルリーグ肩」と呼ばれるものがあります。

ふつう肩の筋肉や腱などが痛くなりますが、子供は大人と違い発育期のため、腕の付け根の骨(上腕骨)の
弱い骨端線(成長軟骨)に障害が起こることが特徴です。
これは、上腕骨近位骨端線離解といわれ、投球動作で骨端線に捻りの力が繰り返しかかるため生じる骨端線の損傷です。
この診断のためにはレントゲン写真が欠かせません。それで子供が野球試合や練習で肩の痛みを訴えるときは、
専門医を受診し、レントゲン撮影を受けることが大切です。
なお他の症状として、肩のだるさ、肩の動きの悪さ(運動制限)などがあり、これらも早期発見の目安となります。

一般に日常生活に差し支えるほどの痛みはありません。レントゲン写真で骨端線に異常なければ、
1ケ月位の安静で痛みがとれますので、肩のストレッチングを十分行い筋肉の硬さをとりながら、
徐々にキャッチボールを開始していけばよいでしょう。しかし決して肩の痛みをこらえて
練習してはいけません。

野球肩の原因としては、悪いフォームでの投球、及び筋力の不足があげられます。
正しいフォームの習得と体力作りが肝心です。骨端線の幅が広くなるなどの変化が認められれば、2ケ月位の肩の安静が必要になります。もし軟骨の障害が強く骨端線でズレが認められれば、定期的にレントゲン検査を受け、骨の形が元に戻るのを待ちますが、
そのためには3ケ月位の安静が必要になるでしょう。
野球肩の治療で手術が必要となることはほとんどありませんが、放置しておくと上腕骨の変形をきたすことがあります。
治療は専門医の指示どおり行いましょう。 なお、野球肩の予防として、
(1)十分なウオーミングアップやストレッチングを行うこと。
(2)肩を冷やさないためアンダーシャツは袖の長いもので、汗をかいたら着替えること。
(3)痛みがある時は投球しないこと。
(4) 投球後肩を氷で冷やす(アイシング)などがあげられます。

また年長の子供によく起こる肩の障害に「インピンジメント症候群」があります。
これは水泳を行ってい る者に多い(選手の約10%にみられ、特に女子に多い。)ので
「水泳肩」とも言われています。
「インピンジ」とは「衝突する」という意味で肩を動かすことによって肩関節内で何かが
ぶつかって痛みを起こす障害ということになります。
何が衝突するのかと言えば、クロール、バタフライや野球のオバースローなどのように、
腕を上方へ振り上げる動作をすると肩峰と腕の骨の付け根(上腕骨の大結節)の間で、肩峰下滑液包や棘上筋腱が靭帯と
衝突する訳です。繰り返し衝突していると徐々に熱をもったり腫れてきて、そのうち痛くて腕を上げられなくなります。
肩を水平まで上げて腕を捻ると痛みが増すのが特徴です(インピジメント徴候)。

初期の症状は肩関節の不快感、だるさですが進行すると練習中や後に痛みが出るようになり、最後は練習に支障をきたすようになります。治療法は原則として痛みがとれるまで安静にすることです。そのために三角巾で腕を吊ることもよいでしょう。
また症状が軽ければ練習方法を変えることでよくなることもあります。つまり練習量を減らす(特に水泳ではハンドパドル練習を止める、
野球では投球数を減らす)ことや、泳法を変えたり、投球をサイドスローやアンダースローにしたり、フォームをチェックして
“癖のある泳ぎや投球”をしないようにすることなどです。そして肩のストレッチングや筋力トレーニング、
特に練習直後のアイシング(氷で冷やす)は治療と同時に予防にもなりますのでお勧めします。 
その他医師のもとで肩の温熱療法(いわゆる電気治療など)を行い血液の循環を良くすることや、炎症をおさえる薬を服用することも
必要となることがあります。 
以上の治療を行ってもなおスポーツに復帰できない場合は、手術も考えられます。いずれにしても、手遅れにならないようできるだけ早いうちに、スポーツドクターに相談するほうがよいでしょう
発育期の腰痛

四ツ足動物とちがい人間は二本足で歩行するため腰に負担がかかりやすく、
多くの人が腰痛を経験しています。
ましてスポーツでは腰にかかる負担がさらに大きくなるのですから腰に故障が起こり
やすくなるのは当然といえるでしょう。
特に発育期の子供の腰痛は将来に問題を残すことがあるので気をつける必要があります。

腰痛を起こす主な疾患には、「いわゆる腰痛症」、「腰椎分離症」、そして「腰椎々間板へルニア」があります。
(1)いわゆる腰痛症
・・・スポーツ中やスポーツ後に痛みを感じますが、診察を受けると「骨にも神経にも異常ありません」といわれる腰痛です。
スポーツ活動に支障はほとんどなく、腰の中央よりやや外側の筋肉を押さえると痛いという程度です。
スポーツにより腰に負担がかかりすぎたための痛みで、よく「筋肉痛」とか「筋々膜性腰痛」などと診断されます。
特に身長が急に伸びる時期の子供たちは、骨の成長に筋肉や腱の成長がついていけず、そのため関節の動きが制限され、
いわゆる体が硬いという状態になりがちです。つまり腰筋、腹筋および臀筋(おしりの筋肉)など腰を支える筋肉の弱さと伸びの
悪さのために筋肉の疲労が起こりやすく、加えて発育中のため筋力増加にバラツキがあることも腰の負担を増す原因となっています。
特に腹筋が弱いと腰のそりが強くなり腰痛を起こしやすくなります。
症状が強い間は、スポーツ活動を制限しましょう。そして鎮痛剤を服用したり、温湿布、電気治療などで腰を温めて
血液循環をよくすることで痛みは軽くなります。
一方、冷湿布やコールドスプレーは1〜2日はよいのですが長く使用するとかえって痛みがとれにくくなるので注意しましょう。
痛みが軽くなったら筋肉の強化や柔軟性を得るための運動を開始します。
つまり弱い筋肉、特に腹筋(腹筋運動をする時膝を伸ばして上体を起こす人がいますが、この方法だと腰に負担がかかり、
かえって腰痛を強くすることが多いので必ず膝を曲げて行ってください。)を鍛え、腰から下肢のうらの筋肉を
伸ばす(ストレッチング)ことが大切です。まずスポーツ活動に十分たえられる腰の強さを作ることが肝心でしょう。

(2)腰椎分離症  
これによる腰痛で診察を受けると、医師はレントゲン写真を示しながら、腰の骨が「一部切れている」とか「はなれている」とか言います。
練習量の多い10〜15才の男の子によくみられる状態です。これは腰の骨(腰椎)に起きた「疲労骨折」と考えられています。
「疲労骨折」というのは針金を何回も折り曲げているとついに折れてしまうように骨の一部分に同じスポーツ動作のくり返しが何回も
加えられるとついには折れてしまうという現象です。
子供の骨は成長中で弱いため大人に比べ「疲労骨折」が起こりやすくなっています。このような「腰椎分離症」は
腰をひねったりそらせたりする動作が多いスポーツ、たとえば野球のバッティング、サッカーのキック、体操、バタフライ、
柔道などによくみられます。もちろん他のスポーツでも起こります。
 小・中・高校生2,707名の調査で、あまりスポーツしない者の腰椎分離の頻度は約3%であったにも
かかわらず、ほぼ毎日スポーツを2時間以上している者は、約10%の発生率であったと
報告されています。
またスポーツ年数が3年以上の 小・中学生ではその発生率が18.7%だったとのことです。

腰椎分離症の初期では、「いわゆる腰痛症」と同じくスポーツ中やスポーツ後に腰の不快感や鈍痛を感じることが多いのですが、
スポーツ活動に支障をきたさないことや安静にしているとすぐ痛みがとれるため見逃しやすく、また受診しても、
レントゲン写真ではっきりせず診断が困難なこともあります。そのため整形外科医による経過観察は欠かせません。
早期であれば、スポーツの中止やコルセルットで腰を固定することにより治ることがあります。
発育期の子供が腰痛を訴えたら、そして特に、腰をそらした時痛みが強くなるようであれば、
必ず整形外科医を受診する方がよいでしょう。もし不幸にして発見が遅れ、コルセットで治らない時期になっていても
そう悲観することはありません。専門医の指導の下に、腰部の筋力強化を行えばかなりのレベルのスポーツがこなせるように
なることが多いからです。
しかし、腰部に弱点があることに変わりはなく、まれに、スポーツを断念したり、日常生活に支障をきたすようになったり、
手術が必要になることもありますので、やはり、発育期に発生を予防することと、早期発見早期治療をすることが大切でしょう。
「腰椎分離症」を予防するためには、これまでの小・中学生の調査で、2時間以上スポーツする者に急激に発生率が
上昇することが報告されていることから、発育期の子供には、1日2時間以内のスポーツ活動が適当であろうと考えられます。
(3)腰椎椎間板
ヘルニア・・・これは、腰痛を起こす疾患の中で最もよく知られているものでしょう。
ふつう20〜40才代に起こりやすく、「腰椎分離症」と異なり、小中学生に起こることはまれですが、
高校生になるとかなりみられるようになります。

背骨は、積み木のように、骨と軟骨(椎間板)が交互に重なって頚から腰まで1本の柱のように続いています。
まさにバックボーン(脊柱)です。その中を脳から脊髄がおりてきて、腰のところで馬尾神経となり、そこからおしりや
下肢のうらの方を坐骨神経となって足先までのびていきます。椎間板は弾力性に富んでおり、腰を前に曲げたり、後ろにそらしたり、
横に曲げたり、ひねったりする時その形を変化させながら体重を支えます。
しかし、激しい運動や衝撃(時には、ふつうの日常の生活動作)で椎間板が傷つき、その中心部にある髄核が後ろに飛び出すため、
坐骨神経を圧迫して、痛み始めます。これを腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛といいます。
急に起こると、ギックリ腰となり、全く痛みのため動けなくなることがあります。
この時は、なるべく楽な格好で横になって下さい。もし鎮痛剤があれば服用して結構です。
徐々に腰痛が広がる場合は、おしりからふともも、ついにはふくらはぎにかけて痛んだりしびれが出たりするようになり
スポーツや仕事に支障をきたすようになります。
ひどくなると、痛みを軽くしようと無意識のうちに体が横に曲がってしまうこともあります。
この状態を坐骨神経痛による側弯といいます。特に10代の腰椎椎間板ヘルニアでは、その傾向が強く、
ほとんど腰を動かすことができないようになりがちです。また腰かけるより立っていた方が腰痛が軽いので立ったまま
授業をうけているという話もよく聞きます。時には、足指の曲げ伸ばしの力まで弱くなります。

診察では、おじぎがしにくい(前屈制限)こと、あおむけにねてもらい膝を伸ばしたまま足を上げていくと腰から
下肢のうしろに沿って痛みが強くなる(下肢伸展拳上テスト)こと、足にしびれや感じのにぶさ(知覚障害)がみられること、
足指に力が入りにくい(筋力低下)こと、足の太さが違う(筋萎縮)ことなどで診断がつけられます。
単に腰痛だけでは腰椎椎間板ヘルニアかどうかはわかりませんが、腰から下肢にかけて痛みがある時は、とにかく整形外科医を受診し、
腰のレントゲン撮影や造影検査などで正確な診断をつけてもらい、症状に合わせた治療をうける必要があります。
一般的な治療としては、コルセットで腰を固定することや骨盤牽引、鎮痛消炎剤の投与や硬膜外神経ブロックなどがありますが、
これらの方法で症状が好転しない時は入院治療が必要です。まれに手術になることがあります。
民間療法としてよく腰の矯正をしたりする人がいますが悪化することもありますので、まず医師に相談なさることをおすすめします。

尚、痛みがある時自分だけの判断で腰痛体操をするとかえって痛みが増し動けなくなることがあることを知っておいて下さい。
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