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不動産TV大分 有限会社 ケント興産
GPZ900R エンジン分解フルオーバーホール ピストン・コンロッド・バルブ鏡面研磨 試運転
外装の取り外し
予てからの懸案事項・・・
我が愛機GPZ900R 通称名Ninjaはカムシャフトやロッカーアームのカジリが致命傷だと買った頃から耳にしてきました。
『自分のは大丈夫・・・』なんてことはこれっぽっちも思ったことがありません。
しかるべきタイミングでカムシャフトの交換をやろう!と思っていました。
その時がついに!ついに!やってきました。
調子よく回転するエンジン、異音なんてしません。新車時に比べたらシリンダーヘッドからの音が若干増えていますが。
いい感じで回転するエンジンで走行距離が40,000km〜50,000kmの間でオーバーホールをするのが一番いいって横浜の【MORIYAMA ENGINEERING】の森山社長が教えてくれました。
ヨシムラST−1カム、純正A16対策品のロッカーアーム、カムチェーン、カムスプロケット、カムスプロケットボルト、各種ガスケット・・・部品達は準備しました。

いよいよクランクケース下にパンタジャッキを咬ませてシリンダーヘッドの分解開始です。

今までの作業の詳細はコチラ
吸気・排気バルブ全数抜き取り
16本のバルブを抜き取りました。
1本1本点検しながら、またリテーナー・バルブスプリング大小・スプリングシート大小も点検、拭き取り後番号毎にパッキングしてタッパーに保管していったのですごく時間がかかりました。
でもこれをやっておかないと組み付けるときにわからなくなってしまうのみならず、取付けられていた場所に戻さないと部品同士のギャップなんかがありますから始動後に調子を崩したりします。
丁寧にやっていけば後で楽ですから。

こうしてシリンダーヘッドの後ろにバルブを並べてみるとわかるのですが、各気筒で燃焼の仕方が異なっていることに気づかされます。
2,3,4番気筒は吸気バルブにコールタールのようなネチョネチョがついています。
排気バルブにはカーボンが堆積していません。薄い膜程度です。焼き切れているようなので少々燃調が薄すぎかもしれません。
これはヨネムラに行って米村社長の判断を仰ぎます。

さぁ、全ては整いました。やっとポート研磨ができます。削りすぎたり、左右のポート形状を変えたりしないように慎重且つ大胆にやっていきます。
あぁ〜ものすごく楽しみです。

と、その前にせっかく外したバルブも研磨します。バルブヘッドには数字の浮き文字が・・・。
これを超硬ローターを使って削ります。こんな窪んだところを手工具使ってやっていたらいつ終わるのかと考えただけで気が遠くなってしまいます。
超硬ローター。すごくいいです。ガンガン削れます。慎重且つ大胆に削っていってサンダーホイールを使って細かく研磨していきそれからは手研磨です。
顔が写るくらいまでバフをかければ出来上がりです。研磨の道は果てしなく遠い・・・。
でもやめられません。

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19年使用のピストントップ
あ〜キチャナイ。
カーボンが堆積しています。仕方ありません。ガソリンが燃えたら水と二酸化炭素、窒素酸化物(NOx)、硫化酸化物(SOx)、固体の炭素(C カーボン)が出てきます。
化石燃料を使う内燃機関の宿命です。
高温に晒される燃焼室、特にピストントップは固体炭素が生成されるのです。

ケミカルを使ってカーボンをある程度除去してから研磨作業を施します。
画像左上が#1ピストンで、水ペーパーで研磨したもの。他のピストンはまだやっていません。
本当にキタナイ状態です。
ただひたすらに磨き続けるだけ・・・。
でもしっかり磨くと#1ピストンのように綺麗になるんです。

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ポート研磨作業
いよいよやりたかったポートの研磨です。
でもまず初めに養生をしなければなりません。作業中の削りカスができるだけヘッド内部に入らないようにマスキングします。
そしてペントルーフ型の燃焼室ヘッドを研磨するときに周囲を削ってしまわないように布製ガムテープで養生します。

ケミカルを吹いてある程度のカーボンを落としてから、電動ドリルのチャックにフレキシブルチューブを取付けて削ります。
ポートの拡大研磨は行わないので超硬のローターは使いません。樹脂ローターで粗削りを行います。

画像のように定休日には事務所の中でMACHINEと戯れる至福の一時を過ごしています。

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バルブ摺り合わせ
バルブフェイスに薄く【バルブコンパウンド】を塗布して、バルブステムには潤滑油を垂らしシリンダーヘッドにセットします。バルブトップに“タコ棒”をくっつけて、『カン カン シュッ!』ってな感じで1本1本丁寧に摺り合わせていきます。
綺麗にあたりが出るとバルブフェイスにくすんだ筋がつきますし、タコ棒を廻す時も最初は『ザラザラ』といっていたのが『ス〜』って音になります。
摺り合わせたバルブを他のところに移してはいけません。必ず摺り合わせたところにセットしなければならないのでちゃんと番号管理をしておきます。
1気筒ずつやっていきましたので、#1シリンダーが完了したら吸排気バルブを自重でセットし、プラグも取付けて燃焼室に【灯油】をなみなみと注ぎます。
もし、あたりがちゃんと出ていなければ注がれた灯油が吸排気ポートのいずれかから漏れてくるはずです。
やはり#1シリンダーの吸気バルブ部分から灯油を注いで20秒ほどで滲んできました。完璧だと思っても実際は違います。
再度吸気バルブは2本とも摺り合わせを行い、再度灯油を張ってチェック!
3分放置していても今度は全く漏れてこなくなりました。
これを全数行い、バルブの摺り合わせを完了しました。

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湿式多板クラッチの点検
クランクケースを上下に分割するためにはエンジンサイドに付いているクラッチを取外さないことにはいけません。
このMACHINEは【湿式多板】と呼ばれるクラッチです。
写真のようにフリクションプレート、スチールプレート・・・と交互に入っています。通常写真右のホルダープレートがこれらクラッチ板をスプリングの力で押さえつけているから、クランクシャフトで得た動力がこのクラッチ板を介してメインシャフト→カウンターシャフトへと伝わりドライブスプロケットを回転させています。
クラッチを切る時は、この【ホルダープレート】がクラッチ板を押さえつけなくなるので動力が伝わらないと云うわけです。

このクラッチ板、【湿式】ですからオイルに浸っています。オイルに浸った7〜8枚の板だから【湿式多板】、車もほとんどこの湿式多板です。

写真の構造からクラッチに負荷をかける半クラッチの多用、これはいけません。
フリクションプレートは削れ、スチールプレートは焼き付きます!

クラッチを労る運転とは・・・クラッチをスパッと繫ぐ運転なんです。そうすればクラッチは傷みませんから。

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車体からのエンジン降ろし、クランクケース分割
折角、港町横浜にあるモリヤマエンジニアリングにシリンダーボーリング加工に出し、ピストンをWISECO 972ccにするので、クランクケースを割ってコンロッドメタルやクランクメタルを測定しておいた方が絶対にいいですから。
もしかしたら摩耗限界近くまでメタルがきているかもしれません。
目をつぶって、排気量の上がったピストンを組んで慣らし運転開始。500kmほど走ってエンジンブロー。原因は・・・コンロッドの焼き付き。なんてなったら今までの苦労が全部ムダになってしまいます。
インチキは禁止。楽も禁止です。
だからエンジン腰下と呼ばれるクランクケースを車体から降ろし、クランクシャフトやコンロッドの点検をします。
まずは車体右側にあるクラッチの分解から始めます。

さて、ここに至まで数々の苦労がありました。
一つ一つ点検・確認・掃除・撮影しながらですから。掃除が終わった部品達はそれぞれのユニットに分けてビニル袋詰めをしています。そうすれば無くならないし、組み付けるときに悩まなくてすみますからね。
このクランクケースを割る作業ですがハンドツールだけでは絶対やらない方がいいです。クランクロアーケース側のボルトなんて、もうガッチガチに固まっています!コンプレッサーを使ったエアーインパクトがあるおかげでここまで作業ができました。
今度はミッションのガタチェック、そしてクランクシャフトのメタルクリアランス測定、コンロッドメタルのクリアランス測定をやって現状に合うメタルを取付ければ、いよいよエンジンの組立てです。

横浜にあるモリヤマエンジニアリングから精密ボーリング・ホーニング加工が完了したシリンダーとWISECO 972cc鍛造ピストンがやってきましたから、ピストンリング合い口測定もやらなければなりません。
エンジンのフルオーバーホールって手を掛け測定してあげなければならないことが山のようにあります。

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クランクシャフトの芯振れチェックとメタルクリアランス測定
やっと、やっとやりたかった作業ができました。
クランクシャフトからコンロッドを取外し、プラスチゲージを置いて規定トルクで締める。すぐまた分解してプラスチゲージの潰れた幅でメタルクリアランスを測定します。
同じようにクランクシャフトジャーナル部にプラスチゲージを置いて(5箇所一気に測定)ロアーケースを規定トルクで締め、すぐ取外して、プラスチゲージの潰れを測定します。
コンロッドメタルは標準値内でしたが、クランクシャフトジャーナル部のメタルクリアランスは・・・標準値外れ!!!!!
使用限度まであとわずか。
知らずに乗っていたらエンジンブローまっしぐらです。
そうなったら今までの苦労が全部ムダになってしまいます。
新しいエンジンを載せ替えるしかなくなるなんてことは絶対したくありません。

芯振れも大事なチェック項目です。偏芯していたら・・・やっぱりエンジンブロー。
結果は・・・ちゃんと大丈夫でした。

分解してよかった。本当によかった。長くいつまでも完調で動くエンジンを造るために大変面倒なことでもやります。
大切な大切なMACHINEですから。

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コンロッド バフ研磨
折角クランクケースを割ってクランクシャフトまで露出させたわけですからやれることは全部やります!やらなかったらもったいないですから!

まずはコンロッドをクランクシャフトから外してメタルクリアランスを測定します。プラスチゲージがないと測定できません。わずかな隙間を測定するのはプラスチゲージ!

メタルは使用限界までいってなかったのですがせっかくなので新品メタルと交換します。
その間、コンロッドをガリガリ削ってツルツルのピカピカにしていきます。コンロッドのバフ研磨!
レーサーのエンジンに施されるこの手法、コンロッド表面の凸凹を極力なくし、引張り・圧縮応力が連続的にかかるこのコンロッドをそれら高負荷から守ってあげようと云うものです。

ピストンからのオイル帰りも表面が滑らかなのでスムーズでしょうし良いことだらけ。
しかし、ものすごく硬い!!!!!
ヨネムラ社長のところに行ってボール盤借りてガンガン削って磨きました。
仕上げは青棒をフェルトバフに付けてギンギン研磨です。

もう、顔がちゃんと写るくらいにピカピカのツルツルです。
シリンダーの取付け
イヤ〜参りました。マイナスドライバーを使ってピストンリング縮めてやろうなんて思っていたのですが、全然うまくいきません。失敗しそうです。

ここは潔くヨネムラ社長のところに行ってSST(特殊工具)を借ります。
『社長、ピストンリングコンプレッサー貸して下さい!』『はい、これ。』

この工具、ピストンをシリンダーに入れるときにしか使えない用途が限定されてしまう工具なのですが、この作業時には絶大な威力を発揮します!スゴイです。

米村社長にこの特殊工具を戻す前にしっかり汚れを拭き上げて、ピカピカにしてお返ししました。
ですから、シリンダーの取付はすこぶる早かったですよ。

今までの作業の詳細はコチラ
タペット調整
これもやっかいな調整です。
人間の感覚に頼らなければならない測定って・・・。
各種厚みの違う金属板の集合体【シックネスゲージ】これがないと測定できません。
ヨシムラST−1カムの指示値によるとEX側、IN側ともに0.15mm〜0.20mmです。
摩耗して隙間が広がることを考慮して0.15mmで調整します。
DOHC16バルブですから、クランクシャフトをメガネレンチを使って回転させてこの作業を16回行いました。
きっとこれで『カタカタ、カチャカチャ』という異音とは無縁な静かなエンジンになってくれることでしょう。
しっかり測定。しっかり調整。そしてしっかり固定。
これです。作業の要は!

日本最大のオートバイ部品ネット販売店【Web!ke(ウェビック)】内で僕のハンドルネームは“NINJA BAKA
”です。
この中に今までの作業の詳細や100枚程の写真を掲載しています。
どうぞ作業の参考に使って下さい。

今までの作業の詳細はコチラ
遂に完成 試運転走行
水漏れの原因はシリンダーとシリンダーヘッドを締め付ける“シリンダーヘッドボルト”の締め付け力不足だったのです!
18年前に買ったプリセット式トルクレンチ、これが全ての原因でした。ですから弓矢の形をしている“プレート式トルクレンチ”を借りて作業にあたりました。しっかりしまれば漏れるわけがありません。後は外れているパーツを組み付けていくだけ。

2012年12月08日、弊社ガレージにて始動チェック。何にも問題ありません。水も当然漏れません。全てのチェックが終わったので実走テストです。
同年12月12日走行テスト開始です。エンジンをフルオーバーホールしたので4,000rpmまでしか廻せません。慣らし運転が必要ですから。
実に2年ぶりのオートバイ。感慨深いものがありました。がチェックしなければならないことがたくさんありますので、感傷に浸ってられません。
異音がないか、変な振動がないか、排気臭は?シフトの入り方は、スロットル開度に対してのエンジン回転追従は・・・

どれも問題ありませんでした。後はキャブレターのセッティング出しだけです。まぁ、これも微調整のレベルですので我が愛機の完全オーバーホールは遂に完成いたしました。
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